【十五の夏 上】
数ヶ月経って上巻を手にしました。
日本の旅行会社の担当者、泊まったホテルの係員、書店員、ハンガリーのペンフレンド、ユースホステルで会った東ドイツからの旅行者などなど、属している国や会社とは関係ない個人ポリシーがはっきりしている人が多数登場します。
例えば、業務外だけど安いビザの取得方法や予防接種の受け方を教えたり、自由に意見を語ったり、困っている佐藤少年を助けて(手違いで列車に乗れず、さすがの佐藤少年も大泣き)次の国の旅程に影響が出ないように取り計らったり。
かっこいいです。
わたしはもう中年ですが、こんな大人になりたいと思わずにはいられませんでした。
社会主義国というと、抑圧された暗いイメージがあります。
それも否定できませんが、他方、社会主義時代の方が教育や文化に触れる機会は高水準で保証されていたという米原万里さんのエッセイを思い出しました。